なかなか治らない歯周病のための外科治療

「歯周病がなかなか治らない」「歯がグラついてきてしまった」などとお悩みではありませんか? このような症状が現れている場合、重度の歯周病と考えられます。悪化すると歯のグラつきが増していき、放置すれば最終的には抜け落ちてしまいます。

そんな重度の歯周病も、すぐに適切な治療を始めればその歯を守ることができます。「他院で長く治療を続けているが、改善が見られない気がする」「以前に治療を受けていたが、途中でやめてしまった」などという方は、できるだけ早くご来院ください。当院は重度の歯周病治療を得意としています。一緒に大切な歯を守るために闘いましょう。

歯周病の病態進行

歯周病の病態進行には大きく分けて2つあります。
一つは口腔常在菌で起こる歯周病です。 この歯周病はしっかりとたブラッシング、歯石除去で症状は改善していきます。
もう一つは特定の歯周病菌の感染によって生じる歯周病です。P.g菌(Porphyromonas gingivalis)、T.d菌(Treponema denticola)、T.f菌(Tannerella fotsythia)等、特にこの3種類の混合感染は歯周病を劇的に悪化させます。このような歯周病に罹患している場合は単に歯石除去や、ブラッシングでは改善せず、菌を直接除菌する治療が重要になります。
症状によっては、大学病院の歯周病科や、歯周病専門医の治療が必要となることがあります。
ニキビ症の方がいくら顔を洗ってもニキビが消失しないのと同じことです。(ニキビはアクネ菌が原因)
現在では歯周病菌の種類、数を同定し、ピンポイントで除菌する方法もありますので、お気軽にご相談ください。

重度歯周病治療の流れ

歯周病の治療はまず様々な検査を行い、歯周病になってしまった原因の究明と現状の把握を行います。
検査の内容はレントゲン写真やCT、歯周精密検査などの他に、歯周病細菌検査を行い口の中に歯周病原細菌のどの種類がどれだけいるかを調べます。これらの科学的な診査をもとに診断をしていきます。

STEP1: 診査・診断

パノラマX線写真

パノラマX線写真

大きな虫歯の発見、全体の歯槽骨(歯を支える骨)の状態、顎関節の状態、顎骨の状態の把握を行います。

14枚法 デンタルX線写真

14枚法 デンタルX線写真

歯各々を14枚に分けX線写真を撮影いたします。
これにより細かい虫歯発見はもちろん、歯の根の状態、歯周囲の歯槽骨の状態の把握を細かく行うことが可能です。

CT写真

CT写真

従来のレントゲン(2次元)写真では把握できない骨形態や、病態の確認を3次元的に把握することが可能です。
さらに手術時の情報として重要な骨の中の神経・血管の走行を術前に把握することが可能となります。

歯周病精密検査

歯周病精密検査

歯周ポケットを1本の歯に対して6カ所の歯周ポケットの数値を測定します。このほかに歯の動揺度(揺れ具合)、出血・排膿の有無、汚れの付着状態、歯肉の退縮の程度を測定します。

歯周病原菌検査

歯周病原菌検査

  • 歯周病原菌を歯周ポケットより採取
  • 歯周病原菌のDNAを測定し、菌種類・菌数を計測します。
  • 痛みを伴わない簡単な検査のため、5分程度で菌の採取が終了します。
  • 検査結果はおよそ2週間にわかります。

上記検査にて診断の結果、実際に治療が開始されます。
その際に原因除去、環境整備、機能回復の3つの段階に分けて治療を進めます。

STEP2: 原因除去

原因除去では、歯周病原因である歯周病原菌の住処である歯垢や歯石を徹底的に除去します。
1日で歯石除去及び、根面清掃を終えるフルマウスディスインフェクション(FMD)を行うことも可能です。
さらに歯周病原菌検査で同定されている歯周病原菌に対して抗菌療法も併用することがあります。

重症化を引き起こす歯周病原菌保菌者には抗菌療法、フルマウスディスインフェクション(FMD)をオススメいたします。

※フルマウスディスインフェクション(FMD)とは
1日で全顎に対して歯石除去・根面清掃を行う手技です。
また、歯周病原菌の再感染等のリスクを減らし、口腔全体から歯周病原菌を取る方法です。

・こんな方にもオススメ
中程度歯周病罹患で歯石除去を1日で終了させたい。
 (保険診療では全顎完全に歯石除去・根面清掃を行うと最低6回通院しないとなりません。)

STEP3: 環境整備

原因除去が終わったら、環境整備を行います。
歯周病が原因で溶けてしまった骨や、失った歯茎の再建を行い、歯周病原菌が再び口の中に住み着けないように口腔内の環境改善を図ります。
主に再生療法や歯周外科処置を行います。

Er:YAGレーザーを用いた症例

右上2遠心に対する再生療法

術前

術前

術後6ヶ月 遠心に骨再生を認める

術後6ヶ月
遠心に骨再生を認める

右上6近心に対する再生療法

術前

術前

術後4ヶ月 近心に骨再生を認める

術後4ヶ月
近心に骨再生を認める

STEP4: 機能回復

口腔内の環境整備が終わったら、機能回復を行います。
インプラント治療や補綴治療(被せ物・入れ歯の治療)、矯正治療などを行い快適に食事が出来るよう、口腔機能の回復を図ります。

外科・再生治療

重度の歯周病には、次のような外科治療を行います。

GBR(骨誘導再生)法
歯周病によってやせてしまった骨を再生させる治療。再生させたい部分にメンブレンという膜を入れてスペースを確保し、そこに自家骨または骨補てん剤を入れて再生を促します。
エムドゲイン法
GBR法と同じく、歯周病によって失われた歯周組織を再生させる治療。歯ぐきを切開して再生させたい部分にエムドゲインゲルという薬剤を注入してスペースを確保し、再生を促します。メンブレンと違い、ゲルは後で取り除く必要はありません。
APF(歯肉弁根尖側移動術)法
歯周病によって歯周ポケットが深くなり、失われてしまった歯肉を維持するための手術。歯肉を単に切り取ってポケットを浅くするだけでは、必要な硬い歯肉部分(角化歯肉)が失われてしまいます。そのためAPFによって、角化歯肉を維持するとともに増加を促します。
FGG(遊離歯肉移植術)法
歯の周りに角化歯肉(硬い歯肉)がないと、軟らかい歯肉部分がブラッシングによって傷つきやすくなるなどして歯肉がやせ、歯周病が進行しやすくなります。それを防ぐために、上顎の口蓋(こうがい)から角化歯肉を切り取って必要な部分に移植する手術がFGGです。
CTG(結合組織移植術)法
歯肉がやせてしまった場合に、上顎の口蓋から結合組織を切り取って移植する手術。これによって、歯根面を覆っている歯肉の厚みを増加させます。

当院の歯科外科治療のこだわり-歯科用CTの導入-

当院では、歯周病治療をはじめとするさまざまな治療に、最新の歯科用CTを用いた高精度な診断を行っています。歯科用CTでは、従来のレントゲン画像では把握できなかった三次元の情報を得ることができ、より詳細な治療計画を立てることができます。

放射線量も医科用のものと比べて10分の1と少なく、体にも安心。当院では歯科用CTによる診断にこだわり、より安全・確実な治療のご提供に努めます。

歯周病治療での歯科用CTの効果
歯周病治療においては、まず顎の骨が現在どのように侵襲されているかを把握することが欠かせません。CT画像では、歯を支える顎の骨や歯の周りの状態を立体画像によって正しく把握することができるため、適切な治療計画の立案に大変有効です。

ページトップ